筋力が弱い

周りの子に比べて筋力が弱い…?

周りの子に比べて筋力が弱い…?

「最近、子供の筋力が弱い気がして不安…」「子供が弱弱しくて筋力が低そうだけど、何かするべきなのかな…」

あなたは今こんなことで困っていませんか?

子供の筋力が弱くても、何が原因なのか、どうしたらいいのか迷ってしまいますよね。

このような不安を解消するため、今回の記事では子供の筋力が弱いときの原因や考えられる病気、受診すべき診療科を解説していきます。

子供の筋力が弱いときの原因は?

子供の筋力が弱い場合、いったい何か原因なのか気になりますよね。ここでは原因を大きく3つに分けて考えていきましょう。

神経の異常

体を動かす際には、脳から脊髄に体を動かすという指令が伝わり、更に脊髄から筋肉へと指示が伝わることによって運動が行われます。指示を出す脳や、それを伝える脊髄といった神経に異常があると、体をうまく動かすことができません。

そのため、脳や神経などの異常があると、うまく歩けない、立てないなどの筋力が弱いと思われるような症状がみられることがあります。

筋肉の異常

体を動かす筋肉の細胞や構造に異常があったり、筋肉がやせていったりすると、体をうまく動かすことができません。

生まれつき筋肉に異常がある病気や、生後だんだんと症状が進行し筋力が低下する病気などがあります。それぞれの病気について詳しくは下で解説してきます。

感覚の異常

体の動きや位置を感じる感覚を、固有受容覚といいます。この固有受容覚の感覚を受け取りにくいと、力を加減する、姿勢をたもつ、バランスをとるなどのコントロールが難しくなります。

そのため、筋肉自体に問題がなくても筋力が弱いように見えることがあります。

考えられる病気は?

考えられる病気は?

子供の筋力が弱い場合、具体的にはどういった病気が考えられるでしょうか?

病名を明らかにするには医師に受診する必要がありますが、どういった病気があるのか気になりますよね。ここでは病名とともに、その特徴を解説していきます。

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーは、体を動かす筋肉の異常がおきる遺伝性の筋疾患の総称です。この中には色々な病気が含まれ、どの病気も筋肉の機能に必要なたんぱく質を設計する遺伝子に変異が生じたためにおきる病気です。

たんぱく質の機能がはたらかず、筋肉がこわれていき、筋力が低下することによってさまざまな症状がおこります。子供の症状としては、歩けるようになるのが遅い、歩き方や立ち上がり方がおかしい、転びやすいなどの症状がみられます。

先天性ミオパチー

先天性ミオパチーは、筋肉の構造が生まれつき異常なことによって、筋力の弱さなどがみられる病気です。その中でも様々な分類があり、それぞれ筋肉のたんぱく質の欠損や機能異常に関連する遺伝子の変異がみられます。

子供の症状としては、首の座りが遅い、歩き始めが遅い、転びやすいなどの症状があります。重症なものでは、生まれつき呼吸が弱く、人工呼吸器を使用する必要がある場合があります。

これらの症状は進行はゆっくりですが進んでいき、各症状に対する対症療法がおこなわれます。

脳性まひ

脳性まひは、生まれる前の発育異常または生まれる際や生まれた後に脳が損傷することによって、運動や姿勢の制御がうまくいかなくなる症候群です。

原因としては様々な脳の奇形や脳の損傷があり、複数の原因が関わっている場合もあります。具体的には、生まれる際の酸素欠乏や脳損傷、妊娠中に風疹やトキソプラズマ病に感染した場合も脳性まひの原因になることがあります。

動きがぎこちない程度のものから、重度の筋肉の緊張によって腕や足がねじれ、車いすなどが必要になるものまで、症状は様々です。

脳性まひの子供には、運動にかかわる脳の部位以外にも障害が起きていることがあるため、知的障害や行動障害、視覚の障害など他の障害もみられることがあります。

発達障害(ASD、ADHD)

発達障害は、生まれつきの脳の働き方の違いによって、幼児のころから行動面などに特徴がある状態です。発達障害の場合は、自分の体の動きや力の具合を認識するという、固有受容覚に問題があることがあります。

そのため、自分の体をうまくコントロールできず、姿勢が保ちにくくなります。

そのように体幹を使うことが苦手だと、運動も苦手となって筋力が発達しにくくなることもあります。

脊髄性筋萎縮症

脊髄性筋萎縮症は、脊髄にある運動神経細胞に異常がおこり、だんだんと筋力が低下したり、筋肉がやせていったりする病気です。

泣き声を出すのも筋肉を使っているため、声にかかわる筋力が低下していると泣き声が小さくなります。

症状の重症度によって4つのタイプに分類され、Ⅰ型(重症型)は生後数週間で運動機能が下がってしまい呼吸がうまくできなくなります。

Ⅱ型は支えなしで立ったり歩いたりすることができません。

Ⅲ型は歩けるようになるが次第に歩けない、転びやすいなどの症状が出てきます。

Ⅳ型は成人になってから発症し、軽度の筋力の低下があります。

脊髄性筋萎縮症は、かつては症状を軽くするリハビリなどの対症療法が主な治療でした。現在では新しい治療薬が承認されており、早めに治療を受けることが有効です。

受診は何科?受診の目安は?

受診は何科?受診の目安は?

それでは子供が実際に筋力が弱い場合、何科を受診すべきでしょうか。

小児科

子供を総合的に診てもらいたい場合、まず小児科を受診しましょう。子供は自分の症状をうまく説明できないこともありますが、小児科なら総合的に診察し、診断・治療してもらえます。

内科

自分の症状を説明できて、大人と同じように診察が受けられれば、内科を受診してもかまいません。診療施設によっては「内科・小児科」と幅広い年齢に対応しているところもあります。お近くの病院を調べてみましょう。

病気は早めに発見することで、早期治療につなげることができます。子供に症状が出ている場合には、早めに病院に受診することを検討しましょう。


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