「最近、子供が汗をかいていなくて不安…」「子供が汗をかかない状態が続いているけど、どうしたらいいんだろう…」
あなたは今こんなことで困っていませんか?
子供が汗をかかずにいても、何が原因なのか、どうしたらいいのか迷ってしまいますよね。このような不安を解消するため、今回の記事では子供が汗をかかないときの原因や考えられる病気、受診すべき診療科を解説していきます。
運動をしたり、気温が高いなど、ふつうなら汗をかいているはずの状態でも汗をかかないことを無汗症といいます。
子供が無汗症となっている場合、その原因には何が考えられるでしょうか?ここでは原因を大きく3つに分けて考えていきましょう。
汗をかくときは、体温が上がったという情報を脳が受け、脳の視床下部という部位から汗を出す指令が交感神経に伝えられます。交感神経からアセチルコリンという発汗を促す物質が分泌され、汗腺にある受容体にくっつくと汗がでてきます。その際、神経に異常があると汗腺にうまく指令が伝わらず、汗をかかない場合があります。
上記の流れで汗腺から汗が出てきますが、汗腺がない、あるいは汗腺が機能しにくくなっている場合に汗がうまく出ない場合があります。
汗腺がないのは主に遺伝などの先天的な要因となります。汗腺が機能しにくくなる例としては、ファブリー病でグロボトリアオシルセラミドという物質がたまることで、汗が出ない症状が起きることがあります。
汗の分泌を調節しているホルモンとして、甲状腺ホルモンがあります。甲状腺が機能しにくくなっていると、ホルモンの影響で汗をかかなくなることがあります。
子供が汗をかかない場合、具体的にはどういった病気が考えられるでしょうか?
病名を明らかにするには医師に受診する必要がありますが、どういった病気があるのか気になりますよね。ここでは病名とともに、その特徴を解説していきます。
生まれつき熱さ冷たさを感じる感覚と痛みを感じる感覚が消失している病気です。
全身の汗をかく機能も低下し、温度を感じる感覚もないことから体温のコントロールが難しくなります。そのため高体温になり、けいれんや脳症になることもあります。
NTRK1とよばれる遺伝子の一部が通常と異なることがわかっており、末梢神経の中の無髄線維と小径有髄線維が欠損して、痛みや汗をかく機能が低下すると考えられています。
遺伝性疾患で、毛髪、歯、汗腺がうまく作られないという病気です。
汗に関する症状としては、汗腺が無い、あるいは少ないため、汗をかかない、またはほとんど汗をかかない状態になります。そのため体温調節がうまくできず、体の中に熱がこもったり、熱中症になったりすることが繰り返し起こり、知能発達が遅れる場合や、死亡に至る場合もあります。
また、髪の毛や眉毛などの体毛も無いかまばらで、歯はうまくできていないか、生えてこない場合があります。
甲状腺ホルモンの分泌量が低下した状態の病気です。
甲状腺の構造に問題があるか、甲状腺に炎症が起きていることが原因となります。それが起きるもっとも一般的な原因は、橋本甲状腺炎です。体の免疫系が甲状腺を攻撃し、甲状腺ホルモンの作られる量が低下することで起きます。
甲状腺ホルモンは体温の調節、汗の分泌を調節する機能があるため、甲状腺の機能が落ちると汗もかかなくなることがあります。
体内にはライソゾームという器官があり、そのライソゾームの中に存在する酵素のひとつが先天的に欠損しているために起こる病気が、ライソゾーム病です。欠損する酵素の種類によって症状は異なり、現在約50種類のライソゾーム病が知られています。
ライソゾーム病の中でもファブリー病は、汗をかきにくくなるため、体温の調節が難しく、発熱しやすくなります。
ファブリー病はアルファ・ガラクトシダーゼという酵素の働きが低くなることでグロボトリアオシルセラミドという物質が体内に蓄積していき、様々な症状がおきる病気です。
それでは子供が実際に汗をかかない場合、何科を受診すべきでしょうか。
子供を総合的に診てもらいたい場合、まず小児科を受診しましょう。子供は自分の症状をうまく説明できないこともありますが、小児科なら総合的に診察し、診断・治療してもらえます。
自分の症状を説明できて、大人と同じように診察が受けられれば、内科を受診してもかまいません。診療施設によっては「内科・小児科」と幅広い年齢に対応しているところもあります。お近くの病院を調べてみましょう。
病気は早めに発見することで、早期治療につなげることができます。子供に症状が出ている場合には、早めに病院に受診することを検討しましょう。
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