赤ちゃんの上に兄弟が乗ってしまって、骨折していないか心配。スポーツの習い事をはじめて、骨折などのケガが心配..
赤ちゃんや子どもにとって、ケガは避けて通れないものですが、骨折などの見極めは難しいですよね。
骨折を疑う場合の受診の目安や、また骨折を繰り返す場合の原因などについて解説します。
赤ちゃんや子どもでも、骨折することはままあります。
赤ちゃんであれば、ベビーベッドから転落した、自転車の補助椅子から落ちた、また小学生では二段ベッドから転落した、スポーツで受傷したなどがきっかけになります。赤ちゃんから小学校に入るまでくらいは、鎖骨や二の腕などの骨折が多いですが、小学生以上になると、前腕や手・指の骨折が多くなります。その後本格的にスポーツに取り組むようになると、外傷や骨折の機会も増えます。
特に赤ちゃんはまだ動きがぎこちない、うまく体重を支えることができないことから、両足や両腕など、一回のケガで左右両方を骨折してしまうこともあります。
このように骨折自体は、子どもでも珍しいものではないですが、骨折を繰り返してしまう場合や、異常に骨が折れやすい場合は病気を疑います。
くる病や骨形成不全症など、骨の病気はもちろんですが、腎不全、Fanconi症候群や尿細管性アシドーシスなど、腎臓の病気でも骨折しやすくなります。
これは、腎臓で適切にカルシウムやリンなどが吸収されないことで、骨が折れやすくなるからです。
副甲状腺機能亢進症や低フォスファターゼ症など、内分泌の疾患も、骨を適切に作ることができない病気なので骨折しやすくなります。
さらに珍しい病気としては、先天性代謝異常症があります。
これは、体の中の様々なホルモンや酵素が正常に機能しないことで、全身に色々な症状を引き起こす病気のグループです。
特にMenkes病では、銅が正常に吸収されないため、骨がもろくなります。
また、ライソゾーム病の中のゴーシェ病でも、体の酵素がうまく働かないことで異常に骨折を繰り返します。
赤ちゃんや子どもが、ケガによって骨が折れてしまうことはあるのですが、実は骨が折れたキッカケがはっきりしないケースも少なくありません。子どもは過去の出来事、その時の自分の症状などをはっきり言えないこともあり、いつケガをしたかわからないけど、調べてみたら骨が折れていたというケースもあります。
乳幼児期の骨折で多い場所としては、腕や鎖骨です。急に右腕だけ動かさなくなった、右腕を触ろうとすると嫌がって泣く、など動きや様子に変化が見られる場合は、骨折も考えられなくないため、小児科や整形外科への受診をおすすめします。
また明らかなケガの記憶がないのに、骨折を繰り返すのは、何らかの病気を疑います。整形外科ももちろんですが、小児科でも受診すれば、適切な科や詳しい検査ができる大きな病院に紹介してもらうことができます。いきなり整形外科に受診しづらい、または近くにないという場合は、まずはかかりつけの小児科に相談してください。
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