「子供の血が止まりにくくて不安…」「子供がけがをした時に血が止まりにくいんだけど、どうしたらいいんだろう…」
あなたは今こんなことで困っていませんか?
子供の血が止まりにくくても、何が原因なのか、どうしたらいいのか迷ってしまいますよね。
このような不安を解消するため、今回の記事では子供の血が止まりにくいときの原因や考えられる病気、受診すべき診療科を解説していきます。
けがの後に出血が予想以上に多い、原因がないのに出血するなどといった場合は、何か血が止まりにくくなる原因があると考えられます。ここでは原因を大きく2つに分けて考えていきましょう。
血小板は、血液の中にある血液細胞の1種で、出血を止めるはたらきがあります。
何らかの原因により血管がやぶれると、血液があふれて出血することがあります。そのような場合に、血小板はやぶれた部位にくっつき、まわりの血小板が集まってきます。
そうすると、やぶれた血管の部位に血栓(かさぶたのようなもの)ができて、出血が止められます。
そのため、血小板が低下していると、出血が止まりにくくなるのです。血小板が低下する病気はいくつかあり、下で解説していきます。
血管がやぶれて出血した際に、血小板が集まって出血を止めた後、血液中の凝固因子とよばれる物質がはたらいてさらなる止血が行われます。血液凝固因子は全部で12個の因子があり、それぞれが順々に働いていくことで最終的に血小板でできた血栓をおおい固めて止血が完了します。
その中ではたらく凝固因子に異常があると、凝固反応の流れが止まり、血が止まりにくいという症状につながります。
凝固因子に異常が発生する代表的な病気としては、血友病がありますね。
子供の血が止まりにくい場合、具体的にはどういった病気が考えられるでしょうか?
病名を明らかにするには医師に受診する必要がありますが、どういった病気があるのか気になりますよね。ここでは病名とともに、その特徴を解説していきます。
血液をつくる過程で異常が起こり、白血病細胞というがん化した血液細胞が無制限に増殖する病気です。
血液細胞には、酸素を体内へ運ぶ赤血球、外部から体内に入り込んだ細菌などの異物を除去する白血球、出血を止めるはたらきをする血小板などがあります。その中でも、血小板が低下すると血が止まりにくくなります。
そのほかには、動悸や息切れなどの貧血の症状が出たり、白血球が減ることにより感染症にかかりやすくなったりするなどの症状があります。
特発性血小板減少性紫斑病は、血小板だけが低下してしまう病気です。白血球や赤血球は異常ありません。
血小板に対する抗体が体内で作られ、脾臓という臓器で血小板が破壊される結果、血小板が低下してしまいます。
その結果、出血が止まりにくいといった症状が生じます。
子供の場合は「急性ITP」に分類されるものが多く、急性ITPは6か月以内に血小板の低下が改善するとされています。
血液を固めるためには「凝固因子」というものが必要となっています。その凝固因子のうち、第VIII因子または第IX因子が生まれつき少ない病気です。
いくつかの遺伝子の異常が原因で起こる、遺伝性の病気です。
血が止まりにくくなったり、あざが出来やすいという症状がみられます。
遺伝子の異常が第VIII因子または第IX因子にどれだけ影響するかによって、出血の程度が異なってきます。
体内にはライソゾームという器官があり、そのライソゾームの中に存在する酵素のひとつが先天的に欠損しているために起こる病気が、ライソゾーム病です。欠損する酵素の種類によって症状は異なり、現在約50種類のライソゾーム病が知られています。
ライソゾーム病のひとつであるゴーシェ病では、血が止まりにくいという症状が出ることがあります。
ゴーシェ病はグルコセレブロシダーゼという酵素の働きが低くなることで、グルコセレブロシドという物質が体内に蓄積していき、様々な症状がおきる病気です。これが脾臓にたまると、血小板が少なくなることにより血が止まりにくいという症状が出ることがあります。
それでは子供が実際に血が止まりにくい場合、何科を受診すべきでしょうか。
子供を総合的に診てもらいたい場合、まず小児科を受診しましょう。子供は自分の症状をうまく説明できないこともありますが、小児科なら総合的に診察し、診断・治療してもらえます。
自分の症状を説明できて、大人と同じように診察が受けられれば、内科を受診してもかまいません。診療施設によっては「内科・小児科」と幅広い年齢に対応しているところもあります。お近くの病院を調べてみましょう。
病気は早めに発見することで、早期治療につなげることができます。子供に症状が出ている場合には、早めに病院に受診することを検討しましょう。
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