「最近、子供がミルクを飲んでくれなくて不安…」「子供がミルクを飲めないけど、どうすればいいのかな…」
あなたは今こんなことで困っていませんか?
子供がミルクを飲んでくれなくても、何が原因なのか、どうしたらいいのか迷ってしまいますよね。このような不安を解消するため、今回の記事では子供がミルクを飲めないときの原因や考えられる病気、受診すべき診療科を解説していきます。
子供がミルクをのんでくれない場合、何か原因なのか気になりますよね。ここでは原因を大きく4つに分けて考えていきましょう。
生後すぐの子供は反射的にミルクをのんでいますが、生後2~3か月ごろになると自分で飲む量を調節できるようになります。全く飲まないわけではなく、飲む量が減っている場合は、飲む量を調節しているだけの場合があります。
子供の機嫌や、便やおしっこ、体調を確認してみてください。子供の体重が増えていて体調も問題なければ、子供のペースに合わせて様子をみましょう。
食道がつながっていない、または胃から腸へ通じる出口が閉じてしまっている場合は、ミルクを一旦飲んでも腸へと送られず、すぐに吐き出してしまうことになります。
具体的には先天性食道閉鎖症、 肥厚性幽門狭窄症などの病気があり、それぞれの病気については下で詳しく解説していきます。
ミルクを飲むときには、唇、口の中、舌の筋肉などを連動させて動かすことが必要です。こういった複数の運動を連動させて行うことを協調運動といいます。
発達障害のひとつである発達性協調運動症の場合、ミルクの飲みが悪い、時間がかかるなどの様子がみられます。
ミルクを飲むには、口の中や舌の筋肉などを動かすことが必要です。何らかの原因によりそれらの筋力が低下すると、ミルクがうまく飲めないといった症状がおこります。
乳児期に筋力低下がおきる病気としては、脊髄性筋萎縮症があります。
子供がミルクを飲めない場合、具体的にはどういった病気が考えられるでしょうか?
病名を明らかにするには医師に受診する必要がありますが、どういった病気があるのか気になりますよね。ここでは病名とともに、その特徴を解説していきます。
先天性食道閉鎖症は食道がとぎれている病気です。
子供のからだがつくられてくる途中で、気管と食道が分かれるときに何らかの異常が起きて発生するといわれています。症状としては、妊娠中には羊水過多になることがあります。生まれた後は、口からつばがあふれてきたり、ミルクが飲みこめなかったりします。つばが気管に入ってしまうことで、肺炎になることもあります。
上下の食道をつなぐ手術を行うのが基本的な治療法です。
肥厚性幽門狭窄症 は、胃の出口にある幽門筋 という筋肉が厚くなってしまうことで、胃の中身が腸へと通過できなくなる病気です。
主に生後2週間から2か月ごろの時期に発症します。食欲はありますが、ミルクが胃から出ていかないため、ミルクを飲んだ後すぐに吐いてしまいます。この状態が続くと、脱水や低栄養になることがあります。
手術で厚くなった筋肉を切除することにより、胃の出口の通過を改善させることができます。
発達障害は、生まれつき脳の機能に障害があることで発達にかたよりが生じる状態です。DCD(発達性協調運動症)は発達障害のひとつです。
DCDがあると、手と手、手と足などの別々の動きをいっしょに行う協調運動に不器用さがみられます。母乳やミルクをのみこむ際は、口の中や舌の筋肉の運動が必要になるため、ミルクをうまく飲みこめなかったり、飲むのが遅いことがあります。
脊髄性筋萎縮症は、脊髄にある運動神経細胞に異常がおこり、だんだんと筋力が低下したり、筋肉がやせていったりする病気です。症状の重症度によって4つのタイプに分類され、Ⅰ型(重症型)は生後数週間で運動機能が下がってしまい呼吸がうまくできなくなります。
Ⅰ型の場合、母乳やミルクを吸う力も弱いため、ミルクなどがうまく飲めないといった症状があらわれます。
Ⅱ型は支えなしで立ったり歩いたりすることができません。
Ⅲ型は歩けるようになるが次第に歩けない、転びやすいなどの症状が出てきます。
Ⅳ型は成人になってから発症し、軽度の筋力の低下があります。
脊髄性筋萎縮症 は、かつては症状を軽くするリハビリや経管栄養などの対症療法が主な治療でした。近年では新しい治療薬が承認されており、早めに治療を受けることが有効です。
それでは子供が実際にミルクを飲めない場合、何科を受診すべきでしょうか。
結論としては、小児科への受診をお勧めします。
ミルクを飲めないことでお悩みの乳児の場合、子供が自分で自分の症状を説明することは難しいでしょう。ですが小児科なら総合的に診察し、診断・治療してもらえます。
さらに専門的な治療が必要な場合は、それぞれの分野に詳しい小児科へと紹介されるはずです。気になることがあれば遠慮なく小児科で相談してみましょう。
病気は早めに発見することで、早期治療につなげることができます。子供に症状が出ている場合には、早めに病院に受診することを検討しましょう。
参考文献
https://www.nanbyou.or.jp/entry/285
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